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“機能のシャープ”が目指す新たな方向性は「快適さ」



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(左)横からのぞきこんでも、画面を見ることができない。代わりに文字(あるいは幾何学模様)が浮かび上がるが、このフレーズはDOLCEと同じ(右)端末右側面プッシュトークボタンの上に、視野角切替ボタンがある 写真:ITmedia
 
 シャープ製のFOMA端末といえば、「機能重視」という印象がある。新しく発表された「SH902i」のスペックを見ても316万画素のCCDカメラ搭載、フルブラウザ対応、ドキュメントビューア搭載……と機能面の充実ぶりが目を引く。

 しかし、開発現場が端末コンセプトとして掲げたのは実は「快適さ」だった。シャープ通信システム事業本部、パーソナル通信第一事業部の商品企画部副参事、木戸貴之氏にSH902iの設計思想とこだわりを聞いた。

●「快適さをもたらす液晶」とは?

 木戸氏は、シャープ端末といえば“液晶”や“カメラ”のイメージではないかと話す。実際同社は高スペック、高性能の端末開発に、精力的に取り組んできた。ただ902iでは、少し方向転換を考えた。「デジタルな部分ではなく、アナログな快適性にこだわることにした」(同氏)。機能一辺倒でなく、より情緒に訴える部分に配慮したという。

 液晶を例にとると、シャープ自慢の「モバイルASV液晶」を採用したのは従来機種と変わらない。そこに、視野角を切り替えられる機能(=VeilView)を付与して快適さをアピールした。同機能はシャープ製「DOLCE」でも採用されたものだ。

 「サイドに備えた『視野角切替ボタン』を押すだけで、ディスプレイの視野角を変えられる」。プライベートシーンでは視野角を狭くするイメージだという。

 液晶まわりではもう1つ、自動調光センサーを備えた。これは周囲の明るさに応じてディスプレイの明るさを自動調節するためのもので、テレビなどで導入事例がある。「明るい場所では、キーのバックライトなど不要だという声も多い。明るい場所ではキーのバックライトを消すことで、消費電力を抑えることができる」

 SH902iの液晶は、暗い場所では多少明るさをセーブしても文字を識別できるため、画面輝度を下げる。明るい場所では、周りの明るさに負けないように画面輝度を上げ、見やすく表示する(同時にキーバックライトを消す)。ただし、太陽光のように極めて明るい環境下では、逆にディスプレイのライトを消して「反射型液晶」として表示を行う。「透過型」と「反射型」、両方の特性を備えたシャープ製液晶を採用しているため、こうした手の込んだ調整が可能になるという。

 バッテリーに関して、開発陣は「シャープ製端末はバッテリーの持ちが悪い」という声が多いことを把握していた。木戸氏はバッテリーが取りざたされる理由として、「シャープユーザーは機能重視のヘビーユーザーが多いからではないか」と推測する。その意味では、快適性を追求するために付加した自動調光センサーも、従来の“機能重視路線”の延長線上にあると見ることもできる。「スペック表に出てこない部分で、効いてくる」

 木戸氏はまた、SH902iは端末全体として「SH901iS」よりもコンパクトにまとめたと話す。「前モデルのSH901iSは、大きいし、150グラムと重い。機能重視の男性向け――と誰からも言われた。しかしSH902iでは厚みを25ミリから22ミリにするなど、幅、高さ、すべての面でシェイプアップしている」

 全体で見てもスクエアなSH901iSとは異なり、角を落とした丸みのあるデザインにした。これにより、男性のみならず女性にも受け入れられそうなデザインを実現したとうたう。

 端末を開いたメニューキー周りも、デザインを変更した。十字キーを見ると、ノートPCのタッチパッドのような外見になっている。「今回、フルブラウザを搭載したことからPCのような外見をイメージした」(同氏)。ただし、NEC端末のニューロポインタのように“タッチパッド操作”ができるかというと、そんなことはない。「ユーザビリティの調査を行い、携帯の操作は十字キーが一番使いやすいことは分かっている。ここは十字キーのままにした」

 デザイン面のアクセントとしては、ディスプレイを内側にして閉じた際に背面に3つの小さな丸いLEDを配置した。この3つのLEDは、着信があった場合に光って知らせる機能を備えている。

 具体的には、一番上のLEDは充電中に赤く点灯する。一番下はメール着信、もしくは通話の不在着信があった場合に緑に点滅する。真ん中のLEDは、実はダミーで「光ることはない」(木戸氏)という。

 SH902iは“快適性”を志向した機能を備え、SH901iSと比較して全体に柔らかみがありコンパクトなフォルムを採用した。ただし、機能面での妥協はないと木戸氏は強調する。「『多機能』ということでは、これでもか、というぐらいの機能を搭載している」。そのあたりは、近日掲載予定の「シャープ開発陣に聞くSH902i(後編)」で紹介していきたい。




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